

























































弥山の巨岩と自然
日本三景の一つ、安芸の宮島。
宮島は日本が誇る美しい島で、その島自体が御神体とされています。
そんな宮島の中央に聳え立つ弥山は古くから信仰の対象とされていて、登山することでご利益があるとも言われています。
弥山の登山道には3つのコースがあり、初心者でも自然を楽しみながら登る事が出来る紅葉谷コース、石造りの道が多くお地蔵様やお堂など信仰の深さを知れる大聖院コース、弥山原生林の中を進む大元コースがあります。これらの写真は大元コース〜山頂で撮影したものです。
大元コースは弥山原生林の中を進むとだけあって足場も悪く、しかも距離としても一番時間がかかるものなのでハードな道のりです。重たいカメラやレンズを持っての登山はなかなかハードでした。
しかし、道中に広がる景色はハードな道のりを受け入れてしまうぐらい素晴らしいもので、そこかしこに鎮座する巨岩、生い茂る自然…弥山という山の姿を見る事が出来ます。
巨岩信仰という、大きな岩を御神体として信仰する風習が世界中にもありますが、大元コースで見られる大きな岩を見ているとそこに神聖さを感じる気持ちがわかるような気がします。大きな岩は生きているかのような存在感がありますが、しかしそこから動かない・動くはずがないというのもわかっているのが不思議でなりません。
アンセル・アダムスやマイケル・ケンナなどモノクロで風景を撮った名手は存在し、色という余計な情報を排して対象の存在感を浮き彫りにした名作には心を打たれます。彼らに遠く及びはしませんが、私もこの弥山にある自然の存在感や佇まいを捉えたいと思いモノクロで撮影をしました。モノクロの写真だからこそわかる事、モノクロの写真だからこそ想像出来る事があります。そういったことを楽しみながら鑑賞して頂けると幸いです。