山下潤 DannyBoy アルバムジャケット

山下潤 Danny Boy

山下潤は広島のジャズピアニスト。
ライブ活動やホテル・レストランでの演奏、五日市方面でピアノ教室などを行なっています。
そんな彼がジャズスタンダードを演奏したファーストアルバム「Danny Boy」を制作するという事でジャケット写真撮影、並びにアルバムアートワーク作成の担当をさせて頂きました。
Danny Boy アルバムアートワークが出来るまで
山下潤からは「モノクロかセピアの写真が良い」という事だったのでモノクロが大好きな私としてはありがたいお話です。
最初の段階ではジャズスタンダードのアルバムという事だけ聞いていたので、モノクロフィルムでの撮影にしようと考えていきます。
1.絵コンテ

まず最初にコンテを書いてイメージを山下潤と共有、確認をしていきます。
撮影場所は山下家自宅のレッスンルームなので事前に写真を頂いて
自然光の入り方などをチェックします。
アートワークまで担当することもわかっていたので、スクエアでクロップすることを
念頭に置きながらいろいろ案を出していきます。
写真撮影の為の絵コンテ
写真撮影の為の絵コンテ
2.撮影

カメラは愛用するLEICA M2にレンズはNOKTON 50mm F1.1、フィルムはモノクロフィルムのMarix400。
NOKTONは最近のレンズと違って球面レンズのみで構成された優しい描写が特徴です。
Marixは日本の会社で、フィルムをもっと手に取りやすくと頑張ってくれている会社なので応援する意味もあって使用しています。
今回は自然光だけでなく定常光ライトも使用し、ハイライトの部分、シャドウの部分、顔の部分など露出を測り撮影する設定を考えます。
コンテを切っていたのもあり撮影はかなりスムーズに終わりました。
グランドピアノとLeica M2
3.現像、プリント

撮影の次はフィルムを現像しプリントします。
自宅にてモノクロフィルムの現像もプリントも出来る環境を作っているので全て私の手作業で行われます。
現像液はハイライトの粒状感や質感などが綺麗に出やすい特殊なものを使用しています。詳しくは企業秘密です。
プリントはまずキャビネサイズで仕上がりをチェックし、次に6切りサイズで本番プリントを行います。
アナログプリントは一回で決まるものではなく、露光時間やフィルター、焼き込みなどテストを行なって完成する地道な手作業です。
そうして出来上がった写真がこちら。
写真はスキャナーでデータ化します。
4.Illustratorにてアートワーク作成

写真が出来上がったらアートワーク作成に取り掛かります。
Adobe Illustrator を使用し、プレス会社の指定のテンプレートに沿って作成していきます。
作成途中のものを山下潤に確認してもらい、デザインのOKをもらいます。
メインカットとなる写真を軸に裏面のデザインも決め、それらとのデザインの兼ね合いやタイトル曲であるDanny Boyの成り立ちなどを調べて盤面のデザインも決めます。
5.完成

データを入稿して終了です。
こちらが完成データ。
山下潤Danny BoyのCDジャケット裏表

私は彼の演奏がとても好きで素晴らしい腕前だと思っていて、そんな彼のファーストアルバムで写真を撮らせて頂けたのはとても幸福なことです。
彼自身は非常に素朴な男ではあるのですが演奏ではその内にあるものを感じられ、良い意味で裏切られると思います。
このアルバムも素晴らしい演奏です。
是非ともお手に取って頂ければと思います。
勿論、私のデザインしたジャケットも見て頂ければ。
光に照らされているCD

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